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イエス・キリスト・不思議な助言者〜そこまでにしなさい(ルカ22:47-54)

20231203「イエス・キリスト・不思議な助言者」
〜そこまでにしなさい~
人間同士の争いは遠い国の話ではなく、身近な人間関係にも起こってきます。私達の心の中にも憎しみ、恨み、権力争いがあります。そんな私達に話りかけて下さる不思議な助言者イエスの姿に目を留めましょう。

1.イエスはペテロを止め、敵を癒やした。
今日は「剣」が出てきます。夜に、剣や棒を持った群衆がイエスを捕まえにきました。その群衆を見てペテ口は思わず剣を抜いて襲いかかり、相手の右の耳を切り落としてしまいました。そこでイエスは「やめなさい。そこまでにしなさい。」「剣を取る者はみな剣で滅びます。」(ルカ 22:5/マタイ 26:52 新改訳 2017©️2017 新日本聖書刊行会)と言ってペテロを止め、敵の耳を触って癒されたのです。

2.イエスが「剣を買いなさい」と言った理由
しかしこの少し前の場面を見ると、イエスは弟子達に財布と食料用の袋を持ち、剣のない者は上着を売って剣を買うように、と言っておられました。しかしこれは決して弟子達全員に武器をもたせて戦う準備をせよ、と言ったのではありません。イエスご自身が犯罪人に数えられて死ぬなら、イエスの弟子達への風当たりも強くなる。これからは子達に厳しい時代がやってくる。ですから当時の一般旅行者の携帯品(自活の道具)として財布、袋、剣(小刀)を持つようにと言われたのです。ですから剣は二振りで十分だったのです。

3.ペテロは祈りがなく、衝動的になってしまった。
イエスはゲッセマネの祈りの中でご自分を天の父のみこころにゆだねました。一方、ペテロは眠ってしまって祈ることができず、心の準備ができないまま恐れの中で衝動的に行動し、相手を傷つけてしまいました。私達はあらゆる人間関係の中で何か行動したり言ったりする前に、一度立ち止まって祈ることによって、より良い人間関係が築かれていくのではないでしょうか?

結論:しかし「やめよ」と言われても自分の力でやめられないのが私達罪人です。だからこそイエスがあのまま暗闇の力に身をゆだねて下さり、十字架にかかって私達の罪を引き受けて下さったのです。今は自分の力ではなく聖霊によって「やめよ。剣で滅びるな」と助言を語る主の御声を聴き続けて、抜いた剣をさやに収めることへと導かれているのです。